〒080-0012 北海道帯広市西2条南14丁目3番地1  図書館ロゴマーク
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帯広市図書館基本構想(平成11年2月)

1.帯広市図書館基本構想の策定にあたって
図書館は生涯学習時代を迎えた今日において、都市の社会的基盤の核となる施設であるといわれております。
本市における図書館活動は、 大正2年のリヤカーによる移動図書館サービスがその始まりとされ、昭和43年には、当時としては本格的図書館活動をおこなうことのできる施設として、現在の図書館が建設されました。その後、社会は急激に変化し、増え始めた余暇を有効に活用するため、市民生活の在り方も大きく変貌いたしました。同時に、社会教育施設としての図書館に対する要望がますます多様化、高度化し、図書館も市民とともに成長する必要が生じてまいりました。
しかし、現在の図書館は、老朽化、狭隘化、そして構造上の不便さに加え、情報化社会にあって、市民の求める資料と情報を速やかに提供するという図書館本来の機能が、もはや十分果せない状況になっております。
このため、 地域社会の発展と生涯学習の振興をめざした、十勝・帯広にふさわしい新しい図書館の将来像と施策の方向性を示す基本構想を策定いたしました。
今後は、この構想をもとに、現在策定中の次期総合計画をはじめ、関係する諸計画との整合をはかりながら、具体化にむけた計画づくりをすすめます。
基本構想の策定にあたり、答申をいただきました図書館協議会をはじめ、貴重なご意見ご提言をいただきました関係各位に心からお礼を申し上げますとともに、今後とも、この構想実現にご支援ご協力をお願いいたします。

平成11年2月

帯広市教育委員会
2.現状と課題
《公共図書館の役割と課題》
公共図書館の基本的役割は、市民に対して資料と施設を提供することにあります。1979年日本図書館協会で決議された「図書館の自由に関する宣言」では、「すべての国民はいつでもその必要とする資料を入手し利用する権利を有し」「図書館はこの権利を社会的に保障することに責任を負う機関である」ことを表明しています。なかでも、直接住民サービスを行う市町村立図書館においては、図書館サービスのシステム化と行政区域を超えた協力態勢づくり、地域の多様なニーズに対応するためのサービスの拡大など多くの課題を抱え、それぞれ地域として新たな取り組みをしています。

《帯広市図書館の歩み》
現図書館は、昭和43年 鉄筋コンクリート造1,577㎡(現在分室を含み2,040㎡)の規模で建設されました。当時の書庫は閉架式ですが、建物は全道に誇りうるデザインの近代的建築物として注目されていました。そもそも図書館は、明治40年に創設された十勝教育会が、大正元年十勝教育会館を建設したおり、その残金200円で図書を購入。翌年十勝教育会図書館(西1条南1丁目)として発足し、管内の小学校に巡回文庫を実施したのが始まりです。その後いくつかの変遷を経て、現在の図書館(西7条南7丁目)となりますが、建築後約30年を経過し、狭隘、老朽化が著しい状況にあります。
図書館活動の歩みの面では、地域サービスに特色があります。大正2年町民有志によるリヤカー配本の移動図書館がその走りです。その後、昭和29年に18ケ所の移動図書ステーションを設置し、移動図書館専用車を配置しました。さらに、市民協力による(市民文庫)活動の展開、地域に建設されたコミュニティセンターに図書室の開設、移動ステーションの再編などにより市内にいくつものサービスポイントを作ってきており、現在も学校を含め1台の車両で市内78ケ所を巡回するなど、市民に身近な図書館を目指してきております。

《新しいサービスと現施設の限界》
広大な市域に居住する17万5千人の市民に対して行き届いたサービスをするには、サービス拠点の再編整備とともに、要となるべき中央図書館の充実が必要となっております。しかし、現在の図書館は、開架書庫のスペース、市民が集う集会・研修施設、駐車場、新しいメディア利用の情報機能等に十分に対応していない状況にあります。このようななか年々強まる市民の多様な要望に応えるため、新図書館建設が急務となっており、図書館の基本的使命に立ち、市民にとって親しみやすく、しかも使いやすい図書館サービスを実現することが課題となっています。

《各市との比較》
本市の図書館の歩みと課題を見てきましたが、道内各市と比較してみますと、次表のとおり人口1人当たりの図書資料費、蔵書冊数、貸出点数からみても相対的に劣勢にあります。また、全国の人口15~20万の31市の1人当たり平均も、資料費296円、蔵書2.1冊、貸出数3.8点(以上「97版日本の図書館」による)と、本市より高い水準にあります。これは近年各市において、新館建設と一体になった新しい市民サービスの対応がすすめられていることが要因と考えられます。これらの状況を踏まえ、新館の整備に向けては、新しい図書館サービスについて先進的事例を十分研究しつつ、サービス力のある図書館に転換することが今日的課題です。 

人口10万人以上の道内市立図書館
(北海道の図書館平成10年度速報版)
区分 1人当り資料費(円) 1人当り蔵書冊数(冊) 1人当り貸出点数(点)
 帯広市 133.2 1.4 2.6
 札幌市 147.2 1.1 2.6
 旭川市 266.2 1.8 4.9
 函館市 152.4 1.6 3.0
 釧路市 166.2 1.8 3.3
 苫小牧市 184.0 2.1 4.1
 小樽市 102.2 1.6 2.0
 江別市 333.0 2.3 5.7
 室蘭市 125.5 1.7 2.2
 北見市 249.9 3.1 3.9
 全道平均 268.0 2.3 3.5

先進地の市立図書館(平成9年度版決算聴取)
区分 1人当り資料費(円) 1人当り蔵書冊数(冊) 1人当り貸出点数(点)
 市川市 162.9 1.8 6.0
 町田市 367.0 2.3 6.5
 浦安市 780.0 7.2 11.8
《アンケート結果からみる現図書館の課題等》
帯広市教育委員会が実施した市民及び利用者アンケート結果からうかがえる現図書館の課題等は、次のように集約できます。
新しい図書館に期待するサービスの上位4つの回答は次のとおりです。
1.誰にでも簡単に資料の検索できる設備2.開館時間の延長3.新着図書の案内4.資料探しの手伝い
これらは、生涯学習施設として日常不便を感じている結果の表われであり、現図書館の設備面とサービス面の限界に起因するものです。
また、新しい図書館の特色として期待するもの上位3つの回答は、次のとおりです。
1.滞在できる図書館(各種催し、屋外テラスでの読書、軽飲食等)
2.情報化社会に対応した図書館(コンピュータによるネットワークの構築)
3.調査・研究のできる図書館(多様な資料・情報の提供を可能にする等)
滞在できる図書館は、従来からの図書館機能に加え快適にくつろげる場として期待する市民意識であり、又、情報化社会に対応した図書館は、近年の著しい通信技術の発達に即した多様な情報収集(提供)を求める市民意識であり、近年建築された図書館の事例からもこれらの傾向は顕著です。
以上の内容は、各種の市民団体からの聴取意見においても同様の傾向となっております。
3.新館の基本的視点
新しい図書館は、21世紀初頭から半世紀以上利用しなければならない市民施設です。田園都市<帯広>が持つ地域特性を建築と周辺整備などに生かしながら、図書館の全体構想を踏まえ、市民利用を重視し、しかも計画から運営まで市民の参加を得て、息の長い図書館づくりを進めることが必要です。新館にとっては、この地道な取り組みこそが基本的で持続的な視点です。

(1)市民参加の図書館づくり
《市民の図書館》
新館の位置づけに向けて、既に、市民アンケートや検討会議等による構想内容の検討が行われましたが、引き続き、建設計画以後においても同じように、市民の意見、活動を反映させていかなければなりません。特に、開館後は市民と行政が知恵を出し合いながら図書館の本来的な利用はもちろん、ボランティア活動、図書館講座、展示会などを通して市民が自主的に参加、企画、運営のできる体制づくりを進める必要があります。また、市民主体による本のリサイクル市などを開催できるような条件を整えたり、蔵書充実のため多くの市民の協力が得られるような工夫をします。

《十勝圏民の拠点図書館》
十勝圏の20市町村が保有する蔵書総数は約130万冊であり、これを37万人の圏民に還元する資料・情報のネットワーク化とサービス体制づくりへの長期的な展望が必要です。さらに、地域に関する行政情報、企業情報、学術情報等を集積させた「とかち地域・文化情報センター」として、新たな広域的役割についても検討をします。

(2)利用しやすい図書館づくり
《将来の利用を見据えた図書館》
新館建設にあたっては、すべての市民にとって「将来にわたり利用しやすい図書館」が求められています。利用しやすさの基本は、日常型の市民施設である図書館として、機能・規模・位置を重視することにあります。言い換えれば、本館は将来の分館構想を含めた図書館サービス網計画の中核施設として、十分な機能を発揮できる規模が必要であり、また、人口動態や交通体系を十分に考慮し市民が利用しやすい位置につくる必要があります。このことが結果的に、身近で利用しやすい図書館として利用者層の拡大となってあらわれることになります。

(3)環境建築としての図書館づくり
《環境と共生する図書館》
帯広の気候、風土の特徴といえる「光・風・樹」を生かし、長期間利用可能な、機能的でシンプルなデザインを取り入れた公共建築をめざします。そのためには、周辺環境と図書館の特性に配慮しながら、自然通気や自然光を取り入れるなどの工夫が必要であります。そのなかから田園都市に相応しい環境共生型の図書館が生まれます。また、それは子供、障害者、高齢者をはじめ市民の誰にでもやさしく、利用しやすい図書館づくりへとつながります。

4.サービスの新たな展開
市民は新しい図書館に何を期待しているのでしょうか。現在の図書館が抱えるいろいろな課題や、市民アンケート等から市民の意向を踏まえると、「人と情報が交流する場」としての図書館が求められていると考えられます。そのためには、以下の4つの項目を柱として、「市民が考え、使い、育てる図書館づくり」を始めることが必要です。

《滞在型図書館》
地域の文化は、市民の遊び心や学習によって育てられます。今日、余暇・自由時間の増大するなかで、幼児から高齢者まで全ての市民が快適にくつろぎながら、自由な自己学習・自己創造のできる図書館が求められています。そのためには、施設の整備とともに、市民が楽しみながら興味を喚起し、未知の情報が得られるような「場」づくりが必要となります。図書館における多彩な催し、多様な資料、そしてそこに多くの人が集うことが、地域の新たな文化創造の誘因となります。

《豊かな蔵書とレファレンスの充実》
図書館は市民の本棚です。市民の多様な資料要求に応えるために、図書、逐次刊行物、視聴覚資料などの情報を蓄積したこれら資料を幅広く豊富に収集しなければなりません。そのためには、基本的資料を整備することはもとより、それぞれに有機的なつながりを持たせ、市民ニーズと地域社会の状況を反映したものにしなければなりません。さらに、年間15万点以上(うち新刊 6万点以上)出版される書籍の中から、新鮮な目で現代を把握するための新刊書を選び、かつ多くの人の評価に耐える良書を豊富に揃えることも必要です。また、本市の図書館の蔵書は現在約25万冊ですが、道立図書館は59万冊、道内212市町村では1140万冊、道内大学図書館には850万冊の蔵書があり、国立国会図書館においては640万冊を所蔵しています。これらの資料や情報を有効に活用するネットワーク網が整備され、それらを活用した市民の様々な質問に対応するためのレファレンス体制が整備されてこそ、「市民の情報センター」としての生きた図書館活動が展開できます。本の世界は広い海、深い森です。その中から的確な情報を速やかに引き出し、提供することも図書館の役割です。

《情報型図書館》
今日の情報社会は書籍を主軸におきながらも、マルチメディア、ニューメディアへの新しい取り組みを必要としています。図書館は、コンピュータが得意とする情報検索をはじめインターネットを通じて国内外の資料、情報を求めたり、電子媒体に蓄積された情報を提供する「電子図書                                
館」に移行する時代に入っています。これらを活用しながら、図書館からの積極的な情報発信やPR活動により、市民が楽しみ、自由に調査・研究を深めることができるような環境整備をはかります。

《だれでも・いつでも・どこでも利用できる図書館》
本市の図書館活動は、その特色として地域サービスから始まっており、このことは現在の図書館サービスのなかに引き継がれております。時代の変遷とともに、市民ニーズは変わってきましたが、「市民が主役」であることには変わりありません。図書館サービスの基本は「だれでも・いつでも・どこでも」サービスが受けられることであり、このサービス体系を整備することにあります。36万冊の蔵書とデータ管理により中枢機能を果たす本館、市街地の拡大と人口集積地域の分散に対応する地域館としての分館、さらにコミュニティセンター利用型の地域図書室、サテライト機能を持つ都心部図書室、移動図書館(車)や市民文庫によるきめこまかなサービス網の充実をはじめ、図書館に来られない人への宅配システム、市民の利用しやすい開館時間など、市民の暮しにとって大切な、地域にとって欠かせない「資料・情報」と「場」を整え、そのサービスが市民全体に均等に行き渡ることをめざします。
5.新館の役割
新しい図書館の役割を「蔵書・電算化・図書館サービス・ネットワーク・図書館支援・図書館スタッフ・建築計画」の7つに整理し、それぞれの基本方針を展開します。
(1)蔵書整備の基本方針
《図書整備の基本》
平成15年度予定の新館開館時には36万冊(市民1人当たり2冊)の整備を想定します。さらに、将来は60万冊の蔵書を持つこととし、一般資料、地域資料、視聴覚資料にも配慮したバランスのよい図書整備をめざします。

《特色ある蔵書》
新館の資料整備については、幅広い蔵書計画を持ち、市民が自己学習できるような基本図書収集のためのアドバイザー制度を検討し、広範な蔵書充実への工夫をはかります。歴史的地域資料、国際交流関連図書、アイヌ関連図書および、地域に関わりのある人々の関連図書資料の充実を図るなど、特色ある蔵書整備をおこない、さらには資料的価値の高い文庫、新書の体系的収集やマルチメディア資料の長期的充実にもつとめます。また、資料のマイクロフイルム化による保存と、CD-ROMなど電子化による検索の充実をすすめます。

(2)電算化の基本方針
《コンピュータの導入》
当面は書誌データ検索が主眼ですが、将来はデータベース化した豊富な資料を他の図書館と相互に活用することも視野に入れて取り組みます。また、地域内のコミセン・学校・市民のパソコンなどとネットワークができる「図書館情報システム」の構築をめざします。

《業務管理等》
利用者データ管理、貸出・返却・督促、蔵書管理、書誌検索、選書・発注・受入、統計業務、行事案内、ネットワーク業務などコンピュータによる管理の統一性を図るとともに、長期的視点で業務の簡素化に取り組みます。

3)図書館サービスの基本方針
《一般者へのサービス》
基本的には全面開架を目指しつつ、当初は約20万冊(児童書含む)を開架図書とし、貸出冊数と期間、開館時間の延長、夜間の開館等について検討し、市民が自由に自己学習できる環境をつくります。また、新聞(約20紙)や雑誌(約300誌)を用意し、時代に即応したサービスを提供するとともに、新聞資料等の電子化による検索機能の向上をはかります。

《子供へのサービス》
基本的児童図書(約5千タイトル)を複数で用意し、児童図書に熟知した専任職員等の配置やボランティアによる読み聞かせなどにより、幼児期から読書に親しむ習慣を身につける環境をつくりあげます。なお、学校、保育所、幼稚園など子供の図書に関わる人と積極的に連携をとることにより、市と各機関が一体となった読書環境の整備をはかります。

《障害者へのサービス》
対面朗読サービスや録音図書の作成、拡大読書器、大活字本の充実、来館できない人への宅配サービスなどきめこまかな対応をします。また、設備としては点字ブロックやエレベーターなど、障害者にとって使いやすい建物になるように配慮します。

《地域資料・行政資料サービス》
地域(郷土)・行政資料は「地域の宝」であり、地域に学ぶ、あるいは地域を研究する市民のために、関連する資料の収集、整理、提供を精力的に行います。さらに、関連機関と十分に話し合いながら「とかち地域・文化情報センター」の役割が果たせるようつとめます。なお、特徴のある地域関連資料は電子化のうえ全国に発信するなど、広範な活用を図り地域のPRにつとめます。

《調査研究サービス》
市民の暮らしの中や自己学習における様々な疑問に答えるためにも、市民が求めるあらゆる情報の道案内ができるようなレファレンス・サービスを充実するとともに、特に、国会、道立図書館等の公立図書館とは密接な連携を保ち、大学、専門情報機関などとは新たな連携を図る方法を検討します。

《視聴覚・マルチメディアサービス》
音楽、絵画、写真、映画などの分野については、多様な媒体(メディア)を提供するとともに、図書資料との多面的な活用ができるよう「多目的視聴覚室(仮称ミニ・シアター)」の整備をはかります。

《地域サービス網》
「図書館サービス網」の中で「どこでも」の機能を果たすのが「地域サービス網」であり、新しい図書館においては、総合計画における地区別計画を踏まえながら、本館、分館、移動図書館、コミュニティセンター、市民文庫、サテライト機能等の役割分担を明確にし、サービス機能を十分発揮させるために総合的な検討をしなければなりません。サービス網の要となる本館と地域住民に密接な分館が、コンピュータネットワークと物流により結ばれ、市民全体にサービスが行き渡るようになります。しかし、分館の整備がなされるまでの当分の間、現在のコミュニティセンターの機能充実等による対応を考えねばなりません。そのためには図書の充実や新たな管理体制により図書館の分室的機能をもたせることを検討します。将来的には学校図書館や学校開放事業の動きをにらみ、地域の協力を得ながら、地域の実状に則した再整備を進め、現在の市民文庫による地区サービスは、地域的な適正配置とそのあり方の見直しをはかります。また、交通結節点、人口密集地区などには他の施設との複合によるサテライト機能を設ける他、機動力を生かした移動図書館(車)は新鮮な図書3000冊を常備し、来館できない人や、公共施設、病院、学校等へのきめこまかなサービスをめざします。

(4)ネットワークの基本方針
《ネットワークの多重化》
市民の多様な情報要求に対しては、1自治体の図書館だけでは対応し得ません。そのためには図書館が必要とする機関や団体と多重にネットワークを組む必要があります。特に市の地域情報ネットワークである「北の暮らし情報システム」や「風の子ネットワーク」などと連携を図りながらすすめます。なお、十勝圏を前提とした広域的な図書館サービス実現のため、当面は1市3町の帯広圏による貸し出し協力や、資料の分担収集・保存にむけての条件整備を検討します。

(5)図書館支援の基本方針
《ボランティア》
「(仮称)図書館友の会」などの新しいボランテア組織により、図書館運営への支援充実が期待されます。特に、館内・館外活動や広報活動として「友の会だより」などコミュニケーション情報誌の発行など自主的な活動ができる環境づくりにつとめます。

《市民協力による蔵書拡大》
図書資料の拡充は基本的に市費負担が原則ですが、まだまだ十分とはいえません。今後も個人・法人の寄付等による図書整備基金の充実につとめます。

《図書館支援活動》
生涯学習や地域文化活動の拠点施設として、講演会、研修会、講座等の催事、市民文芸、帯広叢書の出版、文化活動は幅広い市民の協力によりその増幅をはかります。

(6)図書館スタッフの基本方針
《人材の確保》
図書館の三要素は、「資料・施設・人材」であり、運営の主軸は情報の道案内としての優れた職員にあります。司書の資格を持つ職員、嘱託、臨時職員、さらにはボランティア組織を含め幅広い人材を確保することは勿論、資質向上のための研修につとめます

(7)建築計画の基本方針
《景観(街並み)に貢献する建築》
公共建築物として図書館が建設されることで景観(街並み)が向上するような建物を目指し、十勝・帯広の広々とした景観に調和するシンプルな形態と低層建築物を検討します。市民が気軽に1日利用できるような利用者動線や、案内表示、家具などの内部空間に配慮するとともに、周辺環境との調和や落ち着きのある設計、省エネルギー・安全対策などにも十分考慮します。

《「光・風・樹」を取り込む建築》
十勝・帯広の恵まれた気候、風土を生かして、維持管理コストをおさえ、使い心地のよさを生み出す「光・風・樹」を取り込んだ、環境と共生する建築物をめざします。

《利用しやすく管理しやすい建物》
図書館の機能を十分発揮させるためにはワンフロアーの開架式でゆったりとしたスペースを確保するとともに、誰もが安心して利用できる施設が必要です。そのためにサービス案内カウンターの配置、資料盗難防止装置(ブック・ディテクション・システム)の導入、職員が動きやすい動線の確保や自然光、空調、騒音等の室内環境整備への配慮をします。さらに交通体系や利用者動線を考慮した駐輪場や駐車場の整備もはかります。

6.位置・規模の考え方
《位置選定の視点》
新館の立地を検討するためには、1つには「近づきやすさ=どのような交通手段でも近づきやすい」、2つには「位置の分かりやすさ=市民に親しまれている場所」、3つには「環境のよさ=公園に隣接するなど緑地空間を享受できる」ことが、特に考慮されるべき事項と考えられます。立地場所について上記の位置選定の視点と図書館(本館と分館等)の持つべき機能、あるいはアンケートや提言など市民の意向を踏まえると、環境と利便性を兼ね備えた日常生活の中の図書館として、「将来的にも利用しやすい図書館」であることが、多くの市民の理解と利用につながることになります。このことから、「新図書館へ提言する委員会」からは4エリア(1.駅周辺地区2.都心地区3.都心周辺地区4.郊外地区)が示されました。さらに「帯広市図書館協議会」からは2.都心地区あるいは3.都心周辺地区に位置づける旨の答申がされました。これらのことを踏まえつつ下記検討を加味し、2.都心地区への立地が将来的にも望ましいとの考えに立ちました。

《選定の比較検討》
上記の結論にいたるまでに、本構想における新館の機能や建設の基本方針、土地利用や道路交通体系さらには将来の人口動態など様々な角度からの比較検討をおこないました。
具体的な検討結果として、都心地区においては、交通結節点に近く、バス利用者をはじめ市民各層の利用が期待できます。結果として商業・業務施設との「相互立ち寄り」により都心部の活性化にも寄与できることがあげられます。しかし、駐車場については十分な確保が課題となります。
一方、都心周辺地区においては、十分な緑地空間の確保は可能であり、社会教育・文化施設との「複合的利用」が期待できます。なお、駐車場は共用部分を含め確保は可能です。しかし、バス等の利便性については、バス依存度が高い若年者、高齢者等への対応が課題となります。
以上の検討を踏まえ、利用しやすい位置、市有財産の活用、市民負担の軽減などを含めた相対的な立地条件の比較から、「都心地区」に優位性があると判断しました。

《規模の想定》
新館については、将来の市民利用に応えることができるよう、サービス機能の拡大を見据え、将来蔵書冊数(約60万冊)や新しい図書館機能を考慮すると、約6千㎡程度で、低層2階建ての建築規模が想定されます。

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